三叉神経痛 ~顔の痛み~
三叉(さんさ)神経痛は、50才以降の女性に多く発症し、発作的に起こり堪え難い激痛で、その痛みはよく灼けつくような、針で刺すような、あるいは電撃性の痛みと表現されますが、その痛みは比較的短時間で消失するのが特徴です。
そして、痛みの現れる部位はⅡ・Ⅲの部位が一番多〈図-A〉、Ⅰが痛むことはほとんどありません。
また、痛みは一日数回あるいはそれ以上の間隔をおいて間歇的(かんけつてき)に起こり、笑い等の顔面の表情の変化、食事、会話等によって痛みが誘発されるため、患者さんの表情が暗くなるのはこの為です。これ以外に三叉神経痛には、誘発点とよばれるポイントがあり、ここを刺激すると痛みのない時でも痛みが出現する事も特徴です。
これまで原因不明とされてきた三叉神経痛も、近年になって脳の動脈が三叉神経を圧迫しているという事が解ってきましたが、まだはっきりとした原因は不明のままです。三叉神経痛は、原因を見つける事は大変ですが、三叉神経痛になった人達は、長寿の人が多いという報告がありますから、しっかり治療していきましょう。この治療は神経の興奮を弱めたり、遮断するために内服薬・神経ブロックを行います。その他電気治療やハリ治療は、痛みを抑える作用がありますので併用をお薦めします。