タナ障害
様々ある膝の疾患のうち、膝の関節の中にある滑膜(かつまく)ヒダというものによる障害があります。このヒダは関節鏡(かんせつきょう)で見ると膝のお皿の骨の内側に、棚のようにはりだしてみえるので「タナ」と呼ばれています。このタナは、正常な人の膝でも約半数にみられ、それ自体では障害の原因にはならないのですが、異常に大きく厚い場合、膝の曲げ伸ばしのとき、関節にはされこまれたり、こすれたりして痛みを起こすことになります。またスポーツなどの使い過ぎで繰り返しのストレスが加わったり、打撲などの外傷によっても痛みを起こします。このような病気を「タナ障害」と呼びます。<図-1>
「タナ障害」は、一般的に10代の女性に多く見られ、膝のはれや熱感はなく膝のお皿の骨の内側縁に痛みがあります。(稀に膝のお皿の外側縁に痛みがでるものもある。)特徴的な症状は膝の屈伸時のひっかかり感と痛み、そしてしゃがむ、立つという動作のときのパキンという弾発音(だんぱつおん)です。また時として膝崩れという症状を伴うこともあります。
治療としては、スポーツ活動を中止して、できるだけ安静を保ち痛みを抑えるために電気治療、ハリ治療、マッサージ、包帯による免荷(めんか)などを行います。「タナ障害」は一般的に経過が良いので心配は要りません。