円回内筋症候群(えんかいないきんしょうこうぐん)
円回内筋症候群とは、腕を通っている神経(<正中神経>せいちゅうしんけい)かおかされる病気です。正中神経とは、第5・6・7頸椎(けいつい)・第1胸椎(きょうつい)の横の穴から出てきて、鎖骨(さこつ)のやや上方で神経の束を作り、腋(わき)の下から上腕の内側、そして前腕の手のひら側を通り、手のひらに分布します。また、正中神経の主な役割は、手首を曲げたりする筋肉を支配し、手のひら及び親指・人差し指・中指・薬指の知覚をつかさどります。この神経が、肘関節の円回内筋という筋肉の間を通る時、この付近で神経の通り道が筋肉や腱の緊張・炎症・骨の奇形などの身体の中の変化によってせばめられたりして正中神経に圧迫が加わり、腕の痛みや親指・人差し指・中指・薬指の皮膚の感覚異常や痛み、指の力の低下などを起こすものを円回内筋症候群といいます。
治療
原因となっている圧迫から神経を速やかに開放してあげることが最も大切になります。その為に、患部の安静をはかり、血行を良好にし筋肉の緊張や炎症を取り除く低周波治療、温熱療法、ハリ治療などの保存療法でたいていの場合は回復します。しかし、長期間症状の改善がみられないまま放置すると、回復が期待出来なくなるので、手術によって圧迫を取り除く必要がある場合もあります。