肩甲上神経麻痺(けんこうじょうしんけいまひ)
肩甲上神経は、頚椎(けいつい)の5・6番目の神経が束となり肩甲骨の後を通り、腕を動かす2つの筋の運動をつかさどります。肩甲上神経は圧迫されやすい場所が2ヶ所あり、1つは肩甲骨の上の切れ目の所にある靭帯(じんたい)(上肩甲横靭帯)が張り、狭いトンネル状となりその中を神経が通り、通り道で肩甲上神経が圧迫されると肩甲骨の上方についてある筋肉<(棘上筋)きょくじょうきん>の運動障害を生じ、腕を横から挙げる力が弱くなります。もう1つは、肩甲棘の外側を通り、外側の靭帯(下肩甲横靭帯)が張りその中を神経が通り、通り道で圧迫されると肩甲骨の下方についている筋肉<(棘下筋)きょっかきん>の運動障害を生じ、腕を曲げ外側に開く力が弱くなります。また、神経が圧迫されてシビレた所を打たれると痛みが増幅され、肩甲骨の奥の方でズンズンするような痛みや、肩の運動痛と脱力感や疲労感があり、運動後は安静時に痛みが出ます。
原因
野球の投球やバレーボールのアタッカーなどの繰り返されるストレスや、肩甲骨をぶつけたり、神経の通り道の狭く小さくなるものがあります。
治療
局所の安静と温熱療法、ハリ治療、マッサージなどで改善されますが、治療を続けても症状の軽快しない時には手術的療法となることもあります。