関節ネズミ ~関節遊離体~
関節は複数の骨から成立し、その骨を関節包という袋が大きく関節全体を包んでいます。関節ネズミとは、この関節を構成する構成体(骨、軟骨)の一部が様々な原因で関節包内に遊離(ゆうり)した状態のことです。
症状としては、この遊離体が関節内を自由に浮遊するため、関節の間に挟まってしまうと関節の支持力が突然失われたり(膝折れ現象)、関節の動きが著しく障害されたり、強い痛みを出したり、関節内に水がたまったりします。しかし、遊離体が関節の間に挟まっていないときは強い症状は現れません。遊離体が出現する原因としては、外傷による関節内での小さな骨折や、変形性関節症、離断(りだん)性骨軟骨炎、慢性関節炎などによって出現します。出現様式は、例えば変形性関節症に由来する関節ネズミは下図のようになります。
関節ネズミのよく出現する関節としては膝関節、肘関節、足関節、股関節などがあります。また、好発年齢は原因となる病気により異なりますが、10~70歳までの幅広い年齢層でみられます。
治療法としては、湿布、関節の安静、電気治療、温熱療法、ハリ治療、マッサージを行ない、その関節の炎症症状がおさまるようにします。しかし、関節のカントン症状が繰り返し出現し痛みが続くものや、慢性的に水がたまったり、長時間関節が著しく動きにくくなった場合などは、手術で遊離体を摘出することにより改善されます。