足の滑液包膜(かつえきほうまく)炎について
滑液包(かつえきほう)は、皮膚、腱、靭帯、骨、などの間で摩擦を少なくしたり、クッションの役目をするもので、関節の機能を円滑にするために、多く存在します。この滑液包が、何らかの原因により、炎症を起こし発病したものが滑液包炎となります。足にある滑液包については、アキレス腱が踵骨(かかとの骨)に付く部分の前方(アキレス腱皮下包)や、踵骨(しょうこつ)の後方(踵骨下滑液包)に滑液包があります。
原因は、不適当な靴によって踵の後方が長期間圧迫および摩擦刺激を受け、アキレス腱の後側の皮下にあるアキレス腱皮下包に炎症が起こり、痛みを訴えます。又、圧迫、腫れ、熱感が認められ、特にハイヒールを履く女性やスポーツ選手に多くみられます。同様に、アキレス腱滑液包や踵骨下滑液包も炎症が起こります。
治療は、安静に保つ事が一番です。そのために、スポーツを休んだり、足にあった靴にかえたり、テーピングで固定したり装具の使用を薦める事もあります。又、アイシングや冷湿布を行う必要もあります。痛みがきつい時には、副腎皮質ステロイド剤と局麻剤(ますいざい)の混合注射を処置する事もあります。