寝違い(ねちがい)
朝起きたとき、頚(くび)の後ろ側や、左右いずれかの側が痛み、ちょっと動かしても激痛がおこり、くびを動かせなくなることがあります。不自然な姿勢で寝ていた翌朝や、寝る場所が変わったり、枕が変わったりしても起こるようです。睡眠中なのでどのようにしておこったか本人にもわかりませんが、睡眠中は、筋が弛緩(しかん)するので、頭を不自然な角度に曲げると、頚部の一部が過度に引き伸ばされておこると思われます。朝起きたときだけでなく、その他にも長時間不自然な姿勢をとったり、冷たい風にあたったり、疲労した時などに不用意にくびをひねったりした場合にも起こります。
症状としては、くびのまわりや肩にある筋を押すと痛みが出たり、くびを動かすと痛みがでたり、後ろを振り返る時には、くびだけを回すのではなく全身でなければ振り返れないこともあります。痛みの起こり方や病歴から寝違いであることがわかりますが、他の病気の有無を確認するため、X線検査や神経学的検査なども行います。
治療としては、単なる寝ちがいでは、急性期の症状が長引くことはありませんので、安静にさえしていればふつう数日以内に痛みは消えます。症状の強いときは、ハリ治療が最も効果があります。あまりにも、痛みが強い場合は、カラーで短期間くびを固定します。なかには、頚椎(けいつい)の退行性変化(老化現象)などによるものや、炎症性の疼痛によるものなどがあり、この場合は治療が長引いたりしますので、安易な自己判断はせず、一度専門医の診察を受けることをお薦めします。