疲労骨折(ひろうこっせつ)
近年スポーツが盛んになるに連れて、スポーツ選手の過度な練習による障害の1つとして疲労骨折という障害が増えてきました。
【疲労骨折とは】
倒れた際に手をついたり、重たい物を足の上に落とすなど1回の大きな力によって発生する骨折とは異なり、過度のトレーニングなどにより骨の同じ場所に繰り返し加わる小さな力により発生する骨折をいいます。例えば、針金を何度も曲げ伸ばししているとついには折れてしまうこととよく似ています。
【要因】
- 身体の要因
偏平足・O脚などの骨格の形態や筋力不足
- トレーニングの要因
トレーニング方法の誤り(ウサギ跳び等)や体力に合わないトレーニング量
- 環境の要因
デコボコ道や床の硬い体育館でのトレーニング、体格・体力に不適切な靴や用具
【疲労骨折の発生部位(場所)】
ほとんど全身に起こる可能性がありますが、多くはランニングやジャンプなどにより発生する脛骨(けいこつ<むこうずねの骨>)・中足骨(ちゅうそっこつ<足の甲の骨>)、ゴルフスイングなどにより発生する肋骨(ろっこつ)に見られます。
【症状】発生する部位により多少の異なりはありますが、最初は運動時の軽い痛みであり安静により軽快します。しかし運動の継続により強い痛みに変わっていき安静にしていても軽快しなくなります。又、脛骨や中足骨では歩行の際痛みが発生するなど、日常生活においても支障をきたすことがあります。
【治療方法】
まず第一に原因となったスポーツ、トレーニングを中止し安静(2~4週間)をはかることが一番です。ギプス固定はほとんどの場合必要無く、電気治療、温熱治療、ハリ治療などの治療をおこなっていきます。スポーツに復帰するまでには、年齢や骨折部位、体格等にもよりますが1~3ヶ月程度必要です。