大腿外側皮神経痛(だいたいがいそくひしんけいつう)
坐骨(ざこつ)神経痛に比べてあまり耳慣れない、この大腿外側皮神経痛とは一体どんな病気なのでしょうか?それは読んで字の如く、太腿(ふともも)の前と外側の皮膚の感覚を司る神経が障害され、この部に感覚(知覚)異常を起こす神経痛のことです。<図-1>
大腿外側皮神経は第2・第3腰椎(ようつい)から起こり、前方に向かい、鼠径(そけい)靭帯の下から皮膚の下に出て大腿の前と外側の皮膚に分布します。<図-2>
以上の神経の走行の中で、どこかで障害される為、このような神経痛が起こるわけですが、腰椎自体が障害された場合はもちろん、その他に障害の起こりやすい部位として、鼠径靭帯の下を通るところがあります。この部は、きつい下着・バンド・コルセットによる圧迫、肥満、妊娠による筋肉の緊張、長時間、股関節を曲げたままでいることなどにより障害を受けやすい部です。このようなことにより、男性より女性に多くみられます。
さて、以上のような理由により、大腿外側皮神経が障害を受けると大腿の前と外側の部がひりひりと痛んだり、感覚が鈍くなったり、という症状が現れてきます。
それでは、どういう治療法がいいのか?という問題です。基本的に保存的療法(手術せずに治す方法)でありますが、その前に下着・コルセット等による圧迫があるのなら、その圧迫を除かねばなりません。又、低周波治療・ハリ治療・マッサージ・温熱療法等も有効な治療法であります。