変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
変形性膝関節症は、膝関節の内部にある「軟骨」や「半月板」(はんげつばん)がすり減ったり、半月板が断裂したりする事が原因で起こります。軟骨や半月板は、加齢とともにすり減っていき、若いときには軟骨の厚さは5~6mmほどありますが、40歳以降になると、1年に0.1mmほどすり減っていくといわれています。これにより、関節を取り囲む関節包(かんせつほう)という袋に炎症が起き、痛みを引き起こすのです。症状としては、初期では膝のこわばった感じがしたり、運動の後に少し痛みが生じるくらいですが、膝の軟骨が少しずつ摩擦してすり減るために、椅子から立ち上がろうとしたとき、長い道を歩いたとき、階段を降りるときなどに膝の痛みを感じるようになり、じっとしていても痛みを感じるようにもなります。
すり減った軟骨は元に戻ることはないので、治療期間は長くなりますが、いつまでも痛みが続くことはありません。膝を暖めて、関節をかばう筋肉を電気治療やハリ治療、マッサージなどによって痛みを和らげてあげるのが良い治療法だと思われます。
また、痛みが強く炎症が起こり、水腫(すいしゅ)のでているものでは、アイシングをして炎症を取り除き、包帯により膝を圧迫し負荷を軽減してあげる必要があります。
治療後は、再発を防ぐために、大腿四頭筋の筋力アップに取り組みます。(図1)
また、歩くときは、膝への負担を減らすために底の厚い靴をはくようにします。多少の痛みは歩いたり、筋力訓練を行うほうが改善されますが、痛みが強い場合や痛みが持続するときは無理をせず、歩く距離を短くしたり、休むようにしましょう。