オスグッドシュラッダー病 ~少年の膝の痛み~
オスグッドシュラッダー病とは、バレーボールやバスケットボール、サッカーなど10歳代前半のスポーツを盛んに行う少年に多みられる病気です。痛む場所は、膝の膝蓋靭帯(しつがいじんたい)が付いている脛骨粗面(けいこつそめん)という所です。(膝のお皿の下で飛び出したところ)
本疾患の原因として、成長期における急激な骨成長による大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の過緊張があります。大腿四頭筋は非常に力の強い筋肉で、この筋肉が収縮することによって、膝蓋靭帯が脛骨粗面を引き上げ、膝が伸びます。大腿四頭筋の停止部である脛骨粗面にランニングやジャンプなど強力な張力や着地時のショック吸収の繰り返しの負荷により牽引力が働き、脛骨粗面部の軟骨がはがされることにより、強い痛みとはれが生じます。10歳代の少年では、まだ脛骨粗面の骨に軟骨が残っており、この軟骨が柔らかいため剥がれてしまい、痛みのためジャンプやランニングができなくなります。
治療は、しばらくは運動を休み、患部の安静をとり、痛みの軽減と再発防止のために、大腿四頭筋の緊張緩和を目的に電気療法、温熱療法、ハリ治療、マッサージなどを行ないます。また、安静による大腿四頭筋萎縮の予防のためには、筋力トレーニングも重要です。