モートン病
モートン病とはあまり聞き慣れない病気ですが、主に中年以後の女性によく見られ、歩行時(荷重時)に足の裏に明かな原因もなく、急に激しい痛みや感覚異常をおこす神経・血管障害の一種です。
足の裏には内・外側足底指神経(そくていししんけい)や総足底指神経(そうそくていししんけい)、動脈が深横中足靭帯(しんおうちゅうそくどうみゃく)の下を通り足指に分布しています。その神経や動脈が通過する部分は非常に狭く、なおかつ硬く固定されている為、足指を動かすときに負担がかかりやすい構造になっています。特に第3・4足指間は運動性が大きい為に障害を受けやすい部分です。姿勢異常(偏平足など)のある足や窮屈な靴を履き続けるとその部分に持続的な圧迫刺激が加わり、上で述べた神経や動脈に病変が生じます。いったん障害を受けると、肘をぶつけた時に経験するあの電気ショックのような激しい痛みが爪の先の方へ走ったり、あるいは「ズキズキ」とした痛みや「ジンジン」としたシビレ感などが数秒続くこともあり、窮屈な靴は履けなくなり、体重をかけることさえ不安に感じることもあります。
それでは次に、どんな治療法が良いのか説明しましょう。まず、靴自体に問題(不適合なもの)があるものなら、圧迫などの刺激がかからないような少しゆとりのある靴に取り替えることが望ましく、それと共に足の裏にパッドのようなものを敷く装具療法を併用すれば、より一層の効果が期待できます。また、周囲の筋肉疲労を和らげたり、血液循環を良くする為にマッサージ・電気治療・温熱療法・ハリ治療なども効果的です。
おわりに、基本的には保存的療法(手術しない方法)が主ですが、明らかな病変が見られ、耐え難い痛みが続くようなら最終的に手術という場合もあります。