バーナーペインについて
アメリカンフットボールやラグビーなどのコンタクトスポーツでは、頚(くび)から腕(手)にかけての焼ける様な痛み、いわゆるバーナーペインの発生がよくみられます。この焼ける様な痛みは、アメリカ等ではバーナー、もしくはスティンガー(刺す様な)と表現されており、日本においては電気が走る、電気肩等と呼ばれています。
どうしてこのような痛みが発生するのでしょうか?原因として考えられるのは、相手の選手との接触、または転倒によって、地面にぶつかった際、強い外力をうけることにより
- 頚が後ろに曲げられ、頚から出る神経(神経根)が圧迫された場合
- 頚が横に曲げられ頭が向いた方の頚から出る神経(神経根)が圧迫された場合
- 頚が横に曲げられ、伸ばされた側の鎖骨(さこつ)の上にある腕神経叢(わんしんけいそう)が牽引された場合
- 肩が下に押し下げられ、下げられた側の鎖骨の上にある腕神経叢が牽引された場合
以上4つがおもな原因とされていますが、そのほかに、外力による頚椎の椎間板(ついかんばん)ヘルニアによるものや、骨髄(こつずい)損傷又は、鎖骨の上にある神経の束(腕神経叢)が直接打撃をうけた場合も発生するといわれています。二次的な症状として、筋力・知覚の低下、頚を動かすたびに焼ける様な痛みが反復しておこることもあります。
さて、治療法ですが基本的には症状が消えるまでの間は安静です。もし1・2の原因で受傷したのであれば、牽引・温熱・電気治療等が有効な治療手段となります。
しかし、3・4の原因で受傷したのであれば、温熱・電気治療はさておき、受傷姿勢を再度繰り返すような牽引療法はしてはなりません。仮に受傷から2週間を経ても、症状の回復が認められない場合は、より重篤な神経損傷も考えられるため、再検査が必要となります。
症状が完全に消えるまでは、治療に専念してください。又、再発予防としては、危険回避技術の向上が第一ですが、頚の筋力強化・練習(試合)前のストレッチは念入りに行って下さい。アメリカンフットボールの選手には、頚を保護するネックガードの装着も有効です。