末梢性顔面神経麻痺
皆さんは、様々な顔の表情が、表情筋(ひょうじょうきん)と言う多くの筋の微妙は動きによって作られている事をご存知でしょうか?
末梢性顔面神経麻痺(まっしょうせいがんめんしんけいまひ)とは、この表情筋を支配している顔面神経自体が外傷や炎症、腫瘍(しゅよう)などの様々な原因によって、正常に動かなくなってしまうために起こる病気の事なのです。
ちなみに、顔面神経麻痺にはこの麻痺以外に、脳の病変によって結果的に顔面神経が麻痺する中枢性顔面神経麻痺(ちゅうすうせいがんめんしんけいまひ)と言われるものもありますが、これは顔面以外の麻痺を伴う事もあり、末梢性顔面神経麻痺とは多少症状の異なる麻痺であります。
さて、末梢性顔面神経麻痺になってしまうと、思うような表情を作る事は当然出来ず、目を閉じたり、額にしわを作る事が特に困難となり、舌の前3分の2の味覚障害や聴覚過敏などを伴う事さえあります。また、これは片側のみに起こる事が多いため、顔は左右非対称となり歪んで見えてしまいます。
しかしこの様な症状は症例によってその程度がまちまちで、治療期間も3~4週間程で回復が見られるものから、長期間をようするものまであり、まれにほとんど回復が見られず、著しい顔の変形を残してしまうものもあります。又、この麻痺は特にそれらしい原因なしに起こる事も少なくなく、時として目が覚めた朝に麻痺がすでに形成されていると言う事もありますので、表情の異変などに気付いた時は早期に診察を受け治療を行って下さい。
治療としては、表情筋の運動訓練やハリ治療、電気治療などで顔面神経に刺激を与え、その機能回復を促すと言う方法が主となります。