肩鎖関節損傷(けんさかんせつそんしょう)
肩鎖関節は、鎖骨(さこつ)と肩甲骨(けんこうこつ)によって出来ている小さい不安定な関節で、靭帯(じんたい)によって安定性を保っています。肩鎖関節損傷は、程度によって、ねんざ(肩鎖靭帯の損傷)、亜脱臼(肩鎖靭帯の断裂)、脱臼(肩鎖靭帯・烏口靭帯、両方の断裂)に分ける事が出来ます。(図-1)
原因
多くはスポーツや交通事故などにより、肩を直接打った時に起こります。又、転倒の際に肘や手をついたときにも起こります。
症状
ねんざでは、肩鎖関節部の圧迫による痛みや腫れ、そして肩を動かすと痛みが増強します。亜脱臼では、捻挫の症状に加えて鎖骨外側がやや上方に突き出た変形を認めます。脱臼では、亜脱臼の症状が著名になり、変形は一層明らかになります。
治療方法
捻挫の場合は、三角巾により数日間安静を保ちながら、低周波療法や温熱療法、ハリ治療などにより痛みをとる治療を行っていきます。亜脱臼の場合も捻挫と同様に治療を行い、安静、固定に勤めます。痛みのとれない時は、手術を行うこともあります。脱臼の場合は、ほとんどは手術になりますが、年齢・職業・スポーツ選手か否かを考慮しながら、手術を行うかどうかを決めます。尚、スポーツ復帰に際しては、肩の動きや筋力が十分に回復しているかどうかをチェックする必要がありますので、スタッフの指示を受けて下さい。