肩関節脱臼(かたかんせつだっきゅう)
肩関節は、運動可動域が非常に広く、腱板、靭帯(けんばん、じんたい)等でしっかり覆われているものの、上腕骨の骨頭(こっとう)を受ける関節窩(かんせつか)という受け皿が小さいため、どうしても脱臼しやすくなります。そして前方での運動がしやすいように関節窩はやや前方を向いていてまた、関節包<(かんせつほう)関節を覆ってる袋>の前部にも弱い部分があるので手を後について転倒したときなど前方に脱臼しやすくなります。
脱臼は前方、後方、下方、上方と脱臼方向によって分類されますが、ほとんどは前方脱臼となります。(下記図)
治療は、できるだけ早急に整復(関節の骨を元の位置に戻す)します。また、整復後は3~4週間程度の固定を施しますが、筋力の衰えを防ぐために固定期間中でも早期に運動療法を脱臼した肢位をのぞいて積極的にやらなければなりません。もちろん様子を見ながらという事ですが…。
そして、習慣性(反復性)脱臼を防ぐために治癒後は肩の周りの筋力、特に肩甲下筋を鍛えなければなりません。