腕二頭筋断裂(じょうわんにとうきんだんれつ)
上腕二頭筋断裂とは、腕の力こぶを作る筋肉の断裂で、多くは中年以降の肘を曲げて重量物を持ち上げたり、腕を常に挙上している筋肉労働者に発生頻度が高く、まれにスポーツ時、例えば、ラグビー・フットボール等の激しいコンタクトスポーツや、重量挙げ・体操等の強い筋力を使うスポーツ、テニスなど弱い力が繰り返し加わるスポーツに起こり得ることがあります。
原因
長期にわたる肩・肘の過使用によって腱の変性・弱化、圧迫されることにより、骨棘(こつきょく)という軟骨の過剰形成等の因子が加わって発生します。<図-1>
治療
年齢・断裂している場所・痛みの程度により、手術療法か固定だけの保存的療法かに別れます。手術しなければならないものは、保存的療法で痛みがとれない、炎症がとれない、などがあります。その他のものは、2~3週間の三角巾固定の後、機能回復訓練へ移行します。なお、保存的に治療したものは多少の変形が残り、若干の筋力低下があるものの、日常の生活にはほとんど支障はありません。