腱板障害(けんばんしょうがい) ~腱板断裂、腱板損傷~
腱板とは、肩甲下筋(けんこうかきん)・棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋(きょっかきん)、小円筋(しょうえんきん)から成る4つの筋が集合したもので、これが上腕骨の大結節(だいけっせつ)と小結筋(しょうけっせつ)という小さな部位に板状のすじとなり、上腕骨(じょうわんこつ)の頭全体を被っています。このため肩は、人間の関節の中で最も大きな動きをすることが出来ます。しかし、上腕骨大結筋付近の腱板は、内側・外側ともに滑液包(かつえきほう)につつまれ、運動することにより肩甲骨の肩峰(けんこうこつのけんぽう)などに圧迫される為、血行不良となり腱終末部では痛みやすく、腱板断裂がもっとも起こりやすい部位です。肩腱板障害の起こる原因としては、転倒・直接打撲や投球等スポーツによる使いすぎ等があります。又、中年以降になると1回の外力ではなく、長い年月使用され腱板がもろくなっている為、ちょっとした力で簡単に傷ついてしまう事があります。
治療法は、軽度な損傷では電気治療・ハリ治療・運動療法・湿布・軟膏で充分ですが、肩腱板断裂などの症状が重度な場合は、筋腱部にストレスが加わらない位置で安静固定を図りますが、長期にわたり夜間痛が持続、筋萎縮や拘縮等が出現したものは手術の適応も考えられますので、一度専門医の診察を受けることをお薦めします。