踵骨棘(しょうこつきょく)とかかとの痛み
よく中年以降の女性で、朝起きたときや歩き始めにかかとの痛みを訴える方がいますが、このような人の足をレントゲンでみると、かかとの部分に小さなトゲの様な骨が出ていることがあります。このトゲのように見えるものを“踵骨棘”と呼びます。この踵骨棘のできる場所には、筋肉や足底筋膜(そくていきんまく)と呼ばれる土踏まずを作る膜状の筋肉が付いており、これらに引っ張られることにより、長い月日をかけてトゲ状の骨ができます。しかし、これは結果としてできたもので、これ自体が痛みを出しているのではなく、原因は周囲の組織の炎症にあり踵骨棘ができても痛みを感じないで過ごしている方はたくさんいます。
この様な病気にかかる原因としては、長時間の立ち仕事により、足の裏の筋肉が疲労し本来の筋肉の柔軟性が失われたり、偏平足により、かかとに異常なストレスがかかるためです。また、甲の固い靴やクッションの悪い靴によって起こることがあります。厄介なことに、一度発病すると、場合によっては治療に長時間かかることがあります。
治療には、低周波や温熱療法、シップ、マッサージなどがありますが、まず、クッションが良く疲れにくい靴に変えることをお勧めします。また、足底板と言われる土踏まずやかかとなどに衝撃を和らげるものを入れることもあります。