野球肘(やきゅうひじ)
野球肘は成長期の野球少年によく発生し、特にピッチャーをしている子が損傷します。少年の肘は成長途中に有り、関節はほとんどの部分がまだ軟骨のままです。それ故に過激な練習に耐え切れず障害が起きてきます。
投球動作では腕を振り上げてから投げ下ろすときに、肘の内側(小指側)では強力な引っ張り力がかかり、外側(親指側)では衝突力がかかります。人間の体は少々の事ではへこたれないようになっていますが、しかしこれにも限度がありますから、繰り返し繰り返し負担をかけられるとしまいには音を上げてきます。内側では靭帯(じんたい)に炎症を起こし、ひどい時には軟骨がずれてくると言う現象が起きてきます。また外側では衝撃によって軟骨の中の骨が成長を妨げられ、長く続くと骨が死んでしまう事があります。
治療としては、低周波治療・温熱療法・ハリ治療などをおこないます。また、この障害は使いすぎ症候群であるので練習を休んで肘を休養させる事が基本です。ひどい場合は完全休養させる事も必要ですし、投球練習の回数を減らすとかその症状によって練習方法を変えなければなりません。
なんと言っても大事な事は野球肘にならないための予防法です。